健康カレンダー


55] 2016/11/ 1(Tue) 09:00:09

(月刊かみいな健康カレンダー 2016年11月号掲載)

「胸焼け」

 「前屈みの仕事中や、就寝中に胸焼けがして辛い」という人が増えています。胸焼けとはゲップの際や、酸いあるいは苦い胃内容物が食道に逆流した時の「みぞおちから頸部に向かって放散し、食事や姿勢変化で増強する灼熱感」と定義されています。食道裂孔ヘルニア(食道が通過する横隔膜の隙間がゆるんで食道胃接合部が口側に上がった状態)や下部食道括約筋圧が低下し胃食道逆流防止機能に障害が起きた状態が主な原因です。例えば、酸のために食道にびらん(ただれ)を生じた逆流性食道炎など胃食道逆流症が代表的であります。胃食道逆流症が増えた原因には、生活の欧米化、この欄で何回か掲載されているピロリ菌感染胃炎の減少(胃酸が強くなる)、肥満、更に高齢者の増加もあります。特に高齢女性の腰曲がりは腹部に屈曲が生じ胃を圧迫、前述のヘルニアの発症に関わるのではと考えられます。重症化した場合には潰瘍形成、狭窄、出血、癌の合併(バレット癌)や、喘息とまちがわれる頑固な咳発作にもなります。 治療は、まず生活習慣の改善です(腹部を締め付ける衣類や、前屈位を避ける。過食・高脂肪食の摂取・アルコール・喫煙を避ける。腰から頭までを斜めに高くして就寝することなど)。 症状が強ければ、内服治療となりますが、最近効きの良い制酸剤が次々出ています。ただし、酸を和らげて症状を軽くする薬であって逆流を止める効果はありません。胃の入口を絞める外科手術もありますが悪性疾患でないためあまりやられていません。胸焼けは食道以外の病気(胃炎・胃十二指腸潰瘍・胃癌・心臓疾患など)の症状でもありえますのでしっかり診療を受けましょう。
                             (T.H)


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