健康カレンダー


44] 2015/12/ 1(Tue) 08:44:18

(月刊かみいな健康カレンダー 2015年12月号掲載)

[骨粗鬆症治療薬のこれから]

骨粗鬆症治療は1995年のビスフォスフォネート(以下ビス剤)の実用化により海外医薬品メーカーが牽引する形で大幅に進歩しました。また近年副甲状腺ホルモン剤(以下PHT剤)が最強の治療薬として普及してきています。矢継ぎ早の新薬開発の背景には欧米の高い骨折率とその後の高い死亡率があります。
しかし、ビス剤の場合骨を壊す破骨細胞を抑えますが骨を作る骨芽細胞も抑えてしまいますし、PTH剤は骨芽細胞を元気にしますが、破骨細胞も元気にしてしまいます。今回はそうした問題を解決する未発売新薬の御紹介です。
◆カテプシンk阻害薬 カテプシンkは破骨細胞が骨を溶かすのに必要な酵素です。この酵素を抑えるのがこの薬です。破骨細胞の酵素のみを抑えるので、骨芽細胞に影響が殆どなくかなり理想的な薬剤です。既存の薬剤が苦手な大腿骨の骨密度を増やす力が強く又長く使っていると効果が落ちてくるとうことが殆どありません。
◆抗スクレロスチン抗体 スクレロスチンとはざっくり言うと骨を作る量を調節しているタンパクです。これが骨の増えすぎをおさえています。この物質を止めるのがこの薬剤です。この薬剤も理想的薬剤とされ、ビス剤やPTH剤を遥かに凌駕する成績を納めています。現在薬剤治験の最終段階に入っておりこの秋にも結果が発表になる予定です。
他にも、現在最強のPTH剤を注射ではなく、シールを貼るだけで済ませる新方式が実用化しています。これからも骨粗鬆症治療の未来は明るいといえます。
(R.A)



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