健康カレンダー


70] 2018/ 2/ 1(Thu) 13:21:14

(月刊かみいな健康カレンダー 2018年 2 月号掲載)

「ヒートショック」

 一日の疲れは熱い湯船に浸かって幸せな気分を味わって吹っ飛ばす。この日本の入浴習慣は世界に誇るべき文化です。しかしこの冬の時期に入浴中の不慮の事故が多く見られる事は残念です。2010年の東京救急協会の推計では1年間に1万4千人あまりが入浴中の急病や事故で亡くなっています。冬期間に入浴中の死亡事故が起きる最大の原因は気温の低下です。急激な温度変化による血圧変動などが身体に起こす悪影響の事をヒートショックと言います。お風呂に入るときに暖かい部屋から寒い脱衣所へ移動すると手足の血管が収縮し急激な血圧上昇が起きます。脱衣所で裸になれば血圧が200mmHg以上に上ることも珍しくありません。湯船に浸かってからしばらくすると血圧が急激に下がり始めます。収縮していた血管が開き始めるからです。高齢者では血圧の調節力が低下していますので、血圧が下がりすぎて意識を失ったり、心臓が止まったり、意識を失っているうちに溺れてしまう事故が起きています。ヒートショックを起こさないためにできる事は極力急激な温度変化を避ける事です。脱衣所に限らず健康的生活の適温は21℃前後と言われています。19℃以下で若干の健康リスクが起き始め、16℃以下で循環器、呼吸器に重大なリスクを負うことになります。さらに10℃以下では死の危険を伴っていると考えられます。資料によると浴室、脱衣所での暖房普及率は欧米の90%台に比べて日本の普及率は25%と低く、日本の浴室、脱衣所は寒いのです。5月頃までは入浴中の死亡事故が多い時期です。浴室、脱衣所を暖かくして安全に風呂を楽しみたいものです。浴室、脱衣所はぜひ最低でも16℃以上にしましょう。(N.S.)


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