目で見る耳鼻咽喉科疾患-喉頭

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正常の喉頭


喉頭は、頸部にあり、呼吸器官の一部です。上方は咽頭(いんとう)、下方は気管に連なる部分であり、軟骨に囲まれています。喉頭には次の機能があります。  @発声機能
 A呼吸道(息の通り道)
 B誤嚥防止機能(食べ物などを飲み込むときに、入り込まないように防ぐ働き)
 C気道の開閉機能(息を止める働き、重いものを持つときや、トイレで「いきむ」ときなどに必要となります)
左の写真はファイバースコープで見た正常の喉頭です。左右一対の声帯(2)、仮声帯(1)があります。 声帯の奥には気管(4)が見えています。3の部分(喉頭と下咽頭(食道の入り口)の境界、下側が下咽頭)を披裂喉頭蓋ひだといいます。
発声時には、左右の声帯が正中に寄り、その隙間を空気が通って声帯を振動させて声が出ます。  ものを飲み込むときも、声帯が正中に寄り、食べ物などが気管へ入っていかないようにする働きがあります。

喉頭癌


症状:声がれ
所見:右声帯に凹凸不整の白い腫脹を認めます。
治療:癌の広がりにより、放射線照射、化学療法、手術などを組み合わせて治療します。
※圧倒的に男性に多く、タバコが誘因になります。

声帯ポリープ


右声帯に赤いポリープを認めます。
両側の声帯にポリープを認めます。

ポリープ様声帯


両側の声帯が高度に腫脹し、左右の声帯が前方では重なってしまっています。
声の改善には手術が必要です。
ヘビースモーカーに多い疾患です。

喉頭白板症


  
左声帯に白色の小隆起性病変を認めます。
※癌化することがあるので定期的な観察が必要です。

声帯嚢胞


右声帯に表面平滑な腫脹を認めます。

急性喉頭炎


急性喉頭蓋炎急性声門下喉頭炎
症状:声がれ、咽頭痛、嚥下痛、咳、呼吸困難、発熱など
所見: 左の写真:喉頭蓋の高度の腫脹・発赤(青矢印)を認めます。披裂喉頭蓋ひだも腫脹・発赤(黄矢印)が著明で喉頭の入り口(黄緑矢印)がかなり狭くなっています。
右の写真では、両側声帯に発赤・腫脹を認めます(青矢印)。また、両側声門下(声帯の奥)に腫脹を認めます(黄色矢印)。
※左の写真の例では喉頭の入り口が腫れています。一方で、右の写真の例は主に喉頭の一番奥が腫れています。
治療:抗生剤・ステロイド剤点滴。呼吸困難強ければ、気管切開術(前頸部を切って呼吸の通路を確保する手術)が必要となります。
※呼吸路が炎症のため狭くなっているので窒息する可能性があります。入院加療が必要です。

声帯溝症


  
右声帯に前後に走る溝(ヒダ)を認めます。

仮声帯肥厚


  
両側仮声帯が腫れており(矢印)内側へ突出しているため、声帯が陰に隠れて殆ど見えません。
※喫煙などによる慢性喉頭炎が原因のことが多いようです。

喉頭外傷


  
症状:声がれ、のどの痛み、呼吸困難。
所見:仮声帯(緑矢印)と披裂喉頭蓋ひだ(黄矢印)の粘膜の腫脹、粘膜下出血、声門下(青矢印)の腫脹を認めます。
治療:入院加療が必要です。ステロイド、抗生剤の点滴などで治療します。呼吸困難の程度によっては気管切開が必要です。また、外傷の程度により整復手術が必要になる場合もあります。
※交通事故で前頸部を打ち受傷しました。

喉頭蓋嚢胞


  
症状:のどの異物感
所見:喉頭蓋の舌側に黄色い腫脹を認めます。
治療:小さくて症状のないものは、そのまま放置します。大きくなり症状を伴うようでしたら、嚢胞の摘出手術が 必要です。中に膿様のものが溜まった袋状の良性腫瘍です。

喉頭肉芽腫


  
症状:声がれ
所見:両側声帯の後方に腫脹を認めます。
治療:ステロイドの吸入。改善なれば手術。
※全身麻酔による手術を受けた後に出来ることがあります。

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